教育移住先として人気のマレーシア。
治安の良さやインターナショナルスクールの多さなどから、グローバルな環境で子育てをしたい日本人の親にとって、常に高い注目を集める国です。
今回コメットでは、夫が日本、母子がマレーシアという逆単身赴任で教育移住を実現したもえこさんに、5回連載で移住の経緯や現地での生活、現地での教育事情などについて思う存分語っていただきます。
\無料カウンセリング実施中/
【こんな人におすすめ】
・海外移住に興味がある!
・海外で生活するために仕事を見つけたい
・今後の人生やキャリアについて
専門家からアドバイスを受けたい
・海外移住を実現した後もサポートを受けたい
はじめに
初めまして、マレーシア母子移住6年目のもえこと申します。
2019年に、当時6歳(年長)の長女と4歳(年少)の息子の二人を連れて、マレーシアのペナン島に引っ越しました。
子どもは、2人ともイギリス系インターナショナルスクールに通い、私は家でリモートワーク、夫は日本で働くという、日本とマレーシアの逆単身赴任生活を続けています。
「海外で子育てしたい」、心地よい育児環境求めて
「何を考えているの?」「そんな人の話聞いたことない!」―。
夫の海外駐在でも無いのに、母親だけで子連れで海外移住すると伝えると、当時、周囲からはこんなリアクションが飛び交いました。ただ、私としては「海外で子育てをしてみたい!」というとてもシンプルな理由での決断で、一切の迷いなく日本を飛び出しました。
こう書くと、子どもには「英語」と「国際的な教育」を望む教育ママのイメージが湧くかもしれませんが、私はその正反対のタイプです。また、「海外でキャリアを築くぞ!」という覚悟があるような仕事人でもありませんでした。
日本の将来を悲観して「日本脱出だ!」と叫ぶつもりもなく、「日本以外にも心地よい居場所があれば、それに越したことはないな〜」と試してみたくなった「ライフスタイル追求型の移住者」です。
海外生活を夢見た理由
私は高校生の時に、交換留学で英国で1年間生活した経験があります。この時に体感したことが、今の自分の生き方に大きな影響を与えていると感じています。
当時は、中国人に間違えられるなど「あるある体験」をしたり、こんなにアジアからの移民がいるのかと驚いたり。「自分がアジア人である」というアイデンティティに目覚めるきっかけになりました。
大学ではアジアの言語や社会経済のことを学び、「いつかアジア圏の国に住んでみたい」という夢はあるけれども、とりあえず海外旅行で満足に感じていました。そんな中、日系企業に就職し、共働きの子育てライフを始めたことで大きな転換期を迎えます。
日本で働く女性が子育てをする環境は、制度が整ったり人々の意識が変わってきたりしている過渡期で、中野円佳さん著書の「育休世代のジレンマ」の世界観を、正に肌で感じていました。
働いて子育てをするという人間的な営みをするだけなのに、窮屈に感じたり、疲弊したりしたくない。さらに過去30年以上も現状維持が続く日本の教育で娘を育てていくのはどうなのだろう?この小さな疑問がいつまでも消えませんでした。
そもそも、私は小学生高学年から中学生まで、登校拒否児童でした。
自分が馴染めなかった日本の学校風土を、また保護者として経験しないといけないというのは、正直なところ「鳥肌もの」でした。「できることなら避けたいな…」。逃げ腰ですが、はっきりとした気持ちを持っていました。
このような日本で子育てする世界線にぼやっとした心地悪さを感じたこともあり、アジアを意識した海外生活をしてみたいという夢を掛け合わせることで、「子どもが小さいうちは海外で子育てしてみる挑戦、おもしろいんじゃないの?」と思い至ったわけです。
面白そう!やってみよう!プチ移住のすすめ
そのきっかけになったのは、第二子の育休中でした。
当時、元気と時間を持て余していた私は、とにかく色々なイベントやコミュニティに参加する「育休エンジョイ勢」でした。おもしろそうなイベントに出かけていけば、すぐネットワークビジネスに遭遇するという摩訶不思議な時期でしたが、「母子留学、母子移住」との出会いは衝撃的でした。
「そんな人生もアリなのか!」とすぐに惹かれてしまい、「私もやってみたい!」と時間がある育休中のメリットを活かして、プチ移住を計画しました。旅行だけでは味わえない、その土地に住む感覚を試してみたいという実験です。
私は自然が大好きで、旅行の目的地も大体ビーチリゾートです。部屋のカーテンを開けると海が見える部屋に住むのがずっと夢でした。そうなると、プチ移住の目的地もビーチ一択。候補はハワイ、セブ島、そしてマレーシアのペナン島でした。
その当時、予算30万円弱でハワイなら1週間、マレーシアなら1ヶ月滞在できるという試算から、「どうせ体験するなら長期間がいいな」と目的地をマレーシアのペナン島に決定。ちょうど同時期に育休中だった友人2組を誘って、母と子どもたちだけの長期海外滞在のプチ移住を決行しました!
「こどもは宝!」、子連れに優しい強烈体験
海の目の前に建つコンドミニアムの一室をシェアし、子育ての共同生活。当時3歳の娘は現地の英語保育園を体験したり、私はまだ1歳誕生日前の息子に授乳しながら英語のレッスンを受けました。友達親子と一緒に過ごす時間も、かけがえのないものでした。
スーパーで買い物をしての自炊、カフェに立ち寄る街歩き、いつでも子どもと遊べるコンドミニアムのプール…。何より、街に子連れで出た時に出会う人が「全員もれなく優しい!」という衝撃。異国の地なのに、私は外国人なのに、子育て中の自分が周囲に許容されていると感じられ、感激したのを強烈に覚えています。
若者が多く経済発展の勢いがあり、人々が穏やかで「子どもは宝だ」という共通認識があるという「当たり前」は、日本では経験したことがない感覚でした。そしてこんな体験を繰り返し味わうことで、ペナン島での1ヶ月は刺激的なうえに、とても心穏やかな時間を過ごすことができました。
「夫が不在で、外国で母子生活なんて不安とストレスばかりなんじゃない?」という見立ては完全に大外れ。「許容されるってなんて居心地がいいんだ!」「母が居心地よく子育てできる場所に住むって、最高の幸せなんじゃないの?!」と気に入ってしまったわけです。
しかも、安価でプール付きの海の見える部屋に住めそうなこともあり、子供が小学生になるまでに「本気で数年住んでみたいな」と、夢だった海外移住が目標に変わった瞬間でした。
日本的「まわりに迷惑」の呪縛から開放
マレーシアは多民族国家で、日本では経験しないような「みんな違うことが当たり前」という共通の感覚があるようです。こんなに人種も宗教も文化も食生活もバラバラな人たちが、どうやって纏まって国家として成り立っているのか不思議なほどです。
違うままでお互い存在することを良しとしている、その寛容さを目の当たりにして衝撃でした。
イスラム教のモスク、キリスト教の教会、中国とインドとチベットのお寺が隣り合う、そんな街は、世界中探してもマレーシアぐらいしかないのではないでしょうか。
私が何者でもそれは周囲の人にとって関係ないことで、そのまま存在していて大丈夫と言われているような感覚。でも無関心と言う訳ではなく、子どもに優しく親切にしてもらう度に、人の温かさを感じました。
日本で「周りに迷惑かけないようにちゃんと子育てしないと!」と気付かぬうちに肩に力が入っていた、私の心に刺さるような忘れられない経験になりました。
★★★
もえこさんのSNSアカウントはこちら
Instagram @moeko_oshigoto
★★★
お問い合わせ
海外就職・移住などに関するご質問などお気軽にお問い合わせください
コメントを残す