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中国語ができるほど就職に有利!面接で簡単な会話テストも。ポイント式中国採用のコツ|中国・吉岡愛羅

各国に住む方々に現地のリアルな情報をお届けするアンバサダー発信。5月のトッピクは「語学力」。海外で住む、働く、学ぶを考える時に、まず気になることのひとつが「言葉は通じるかな?」という点ではないでしょうか。「どれだけ英語が話せたら大丈夫なの? 」「非ネイティブ圏に行っても英語って上達するの? 」「現地語も必要なの?」etc…。第6弾は中国からの報告。日本より英語が通じないという中国。就職ではどれほどの中国語力が求められるのでしょうか?

中国大陸は日本以上に英語が通じません。中国への就職を控えていたり、検討している方にとって、仕事や生活でどの程度の中国語が必要とされるのか、気になるポイントだと思います。私の場合、幼少期を中国で過ごしていたため、語学は自然とその環境の中で身に付いていました。今回の記事では、一般的な事例とは少し異なりますが、私自身の経験を通して、中国に住む前後の語学力の変化と、実際に働いてみて感じた必要とされる語学力のレベルなどを紹介します。

中国帰国子女、でも帰国で語学力低迷

まず、私自身のバックグラウンドを少し紹介させて頂きます。

私は6歳から14歳までの幼少期を中国の上海で過ごしました。その後帰国し、10年間は日本で生活していましたが、1年半前に現地就職で中国へ戻ってきました。

幼少期は現地校へ通っていて、周囲の同級生や先生はみな中国の方だったこともあり、日本語よりも中国語の方が得意でした。

上海での小学校時代の写真。筆者は上から2列目、右から4番目

この写真は、上海の現地小学校の3年生の時に、“少先队入隊儀式”というセレモニーが開催された時のものです。少先队(しょうせんたい)とは「中国少年先鋒隊」の略で、中国共産党の青年組織隊のことです。不思議なことに日本人の私も入隊を認めらていました。

ただ日本へ本帰国してからは、中国語を使う機会が全くなくなり、語学力はみるみる落ちていきました。正直なところ、中国の幼馴染と会話をするときに、翻訳機が必要なほどでした。

認識のズレでミスも…語学力に頼りきらない工夫

そのため、再び現地就職を勝ち取り、中国での生活を始めた当初は、仕事上での会話も本当にボロボロで苦労しました。日系商社に勤めていますが、社内のミーティングは中国語。最初は内容が全く理解できませんでした……。取引先とのコミュニケーションもカタコトでのやり取りで、今思い出しても最初の3カ月は特に苦しかった記憶しかありません。

ただ、その後は仕事にも慣れてきて、軌道に乗り始めます。同僚や友人と中国語でのコミュニケーションが増えるとともに、幼少期に使っていた単語やフレーズを思い出すようになりました。中国語での会話に慣れてきているのが、自分でもわかりました。

ただ、やはり母国語ではないので、今でも仕事上では意思疎通に齟齬がないかは注意しています。以前、サプライヤーとの会話で認識にズレがあり、大きなミスをしてしまったことがありました。それ以来、敢えて語学力に頼りきるのではなく、誰が見ても分かる画像を共有したり、依頼内容を具体的に伝えたりすることで、齟齬がないように工夫しています。

中国の友人と火鍋を楽しむ。筆者は右側前から3人目

中国で働くために必要な語学力とは?

現地採用を勝ち取った私自身の経験を踏まえ、採用過程における語学力についてご紹介します。まずは面接ですが、私は応募した3社すべてで中国語力の判定テストがありました。内容はいずれも簡単な会話だったので、そこまで厳しくチェックはされない印象です。ただ、形式上はテストがあると想定し、簡単な日常会話は習得した上で面接に臨んだほうがが良いかもしれません。

中国で働く際には、中国語レベル、日本で働いた年数、大学卒か大学院卒かなど、複数の条件をポイント換算し、それらを試算したうえでビザ取得ができるかどうかが決まります。ですので、HSK(中華人民共和国直下管轄の資格試験)や中国語検定など語学検定試験の資格があると加点対象となるので有利です。

また、実際仕事をする上で必要な語学力については、職種によってかなり異なる印象があります。例えば同じ営業職でも、日系企業の顧客への営業が中心の仕事だと、相手が日本人、もしくは日本語が流暢な中国人担当者の場合が多く、あまり中国語力が問われません。ただ私のように、顧客だけでなく、中国の工場やサプライヤーと関わる事も多い場合は、かなり日常的に中国語を使う場面が多いのが実情です。

職種だけでなく、仕事の具体的な内容、仕事で関わる関係者によって中国語力がどれくらい必要なのかが分かるので、詳しくリサーチすることをおススメします。面接官に対し、仕事上でどれくらいの語学力が求められるかを率直に聞いてしまうのも良いと思います!

現地生活、語学力でもっと楽しく!

生活面に関しては、今の中国は生活インフラがかなり整っていて、システム化も進んでいます。そのため、慣れてしまえば、語学力がなくてもある程度は快適に暮らせると思います。ただ、英語が日本以上に通じないので、何かトラブルがあった際は少し不便さがあるのと、会話が出来ないと窮屈に感じてしまうので、ある程度話せるようになった方がより中国の生活を楽しめるという印象です。

周りの駐在員や現地採用の友人を見てると、中国語を話せる方の方が現地に順応し、生活をより楽しんでいるように見えます。そのため、まずはコミュニケーションを取れる程度の中国語力を身に着けておくと、現地での生活をよりスムーズに始められるのではないでしょうか。

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