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3月のトピックは、「後悔」です。
「海外移住」と聞くと、華やかでキラキラしたイメージが思い浮かびますが、異国で働き生活するには苦労はつきもの。理想と現実のギャップに悩むこともあるはずです。いいことばかりでない海外生活の現実をアンバサダーの皆さんに素直に語っていただきます。
ニーハオ!中国(深圳)在住の吉岡です!
海外生活となると、想像と違っていたことや大変なこともあります。
深圳へ来た当初は、楽しさよりも大変さの方が圧倒的に上回っていて、3か月に1回は「日本へ帰りたい症候群」に。「3年頑張ってそれでもダメなら帰ろう」と常に自分に言い聞かせることで心のバランスを取っていました。
どんなことで大変さを感じたのかをいくつかピックアップして、皆さんに伝えられたらと思います。
◆なんで? 床一面に水滴

深圳に来て最初の1年間、何より「高い湿度」が慣れませんでした。深圳の気候は高温多湿で、5月くらいから徐々に暑くなり、12月まで暑さが続きます。
タイやマレーシアなど東南アジアの国々に比べたら、気候は遥かに日本と近いため、過ごしやすいかもしれません。それでも、日本より長く続く夏日と湿気の高さにはなかなか慣れませんでした。
夏の湿度が特に高い日は、洗濯物を外で干しても全く乾かず、かえってびしょびしょになってしまうことも。そんな時は、エアコンをつけて強い冷風で洗濯物を乾かしていました。
また、季節の変わり目には床や壁一面に結露が発生することもあります。最初は結露ということに気づかず、何かの水漏れかな?と思い、毎回家に帰る度に地面を拭いていました。
こんなに湿度が高いせいで、お腹の調子が悪くなることもありました。
◆「カンカンカン」夜中にも鳴り響く騒音

未だに深圳に居て慣れないと思うのは、街中の騒音です。深圳の街中では今でも沢山のアパートやオフィスビルの新しい建築が進んでいて、いつも工事の「カンカンカン」という音が街中いたるところから聞こえてきます。
私の住む場所は、特に新しいビルやモールが建築され続けているエリアでもあることから、騒音に悩まされることが多いです。本来、深圳市内の規定では夜の23時から朝の7時までは工事の施行をしてはいけないにも関わらず、夜の遅い時間にも工事が強行されることも。
部屋の壁や窓も日本と比べて防音性が高くないため、夜の就寝時はアルミ材質の敷物を窓に貼ったり、ベッドをなるべく窓から遠くに移動したりするなどして対策を取っていた時期もあります。
最終的には同僚のアドバイスにより、深圳市の環境対策相談所に問い合わせ、騒音についてクレームを入れました。そのかいあってか、数日後には夜間の工事音は収まりましたたが、今でも時たま、突如夜中に工事音が鳴り出すため、その度にストレスを感じます。
◆処理水放出事件 肩身の狭い思い
この時期ほど、中国で肩身の狭い思いをした事はありませんでした。
2023年の8月に起こった日本の処理水放出問題は、中国国内の人々の反感を買い、中国で生活している日本人にとっては、仕事と生活面両方に大きな影響がありました。
中国のメディアでは「処理水」ではなく、「汚染水」と報道され、毎日批判的に報道されていました。特に、私は飲食関係の仕事をしているため、仕事面でも大きな影響を受けてしまい、公私ともに大変な思いを……。
仕事面では、今まで日本から中国に問題なく輸入されていた食品が禁止になってしまいました。禁止の対象範囲は生鮮食品だけでなく、魚介類が入っている出汁や調味料も含まれます。
中国で販売されている日本食品の多くには魚介類が含まれているため、今まで輸入できていた商品の約3分の2が輸入禁止になり、企業にとっては大打撃。日本食品への不買運動も起こり、日本産でなくとも、日本語が書かれているだけでも購入が減ってしまうこともありました。
◆私生活でも質問攻めに…
精神的に堪えたのは、この影響が私生活までに及ぶこと。
職場の中国の同僚や仕事関係の方からは、「日本はなんでそんなひどいことをするのだ」「日本の両親はこれから日本で生活していけるのか」など日々質問攻めにされ、メンタル不調になる寸前でした。
また、仕事関係の人からの質問だけならまだしも、中国の友人達とのディナーの時にも同様の話題を出され、流石に内心「勘弁してよ…」と思いました。
大使館からは、公共交通機関など外出中は極力日本語での会話を控えるようなメールが送られてくるほど。

実際に、私の上司も、部下と日本語で話をしていたため、運転手の反感を買い、強制的にタクシーを降ろされてしまったという出来事がありました。
元々、中国のメディアは言論統制が強いため、一つの見方のみを正解とする傾向が強く、人々の考え方は少々極端になりやすい面があります。特に、国の事情が絡んでくる話題はその傾向が強く、処理水問題の時は「日本が悪いことをした」というレッテルが中国内ではとても強かったです。
普段は住みやすい中国でも、こうした「お国事情」が絡むと一気に過ごしにくくなってしまうことは多くの日本人の悩みの種です。
海外生活では、どうすることもできない悩みは付き物。
なるべく良い側面を見て、時には「あるがままに受け止める」というメンタリティーも必要なのかもしれません。
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