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3月のトピックは、「後悔」です。
「海外移住」と聞くと、華やかでキラキラしたイメージが思い浮かびますが、異国で働き生活するには苦労はつきもの。理想と現実のギャップに悩むこともあるはずです。いいことばかりでない海外生活の現実をアンバサダーの皆さんに素直に語っていただきます。
「ないもの」「困ったこと」をあげればキリがないインド生活。今回は、想像以上だった大気汚染や冬の寒さ、仕事の進め方についてシェアしたいと思います。
いまだに頭を悩ませる分業制
私は、首都デリー近郊都市・グルガオンにある本社で勤務をしています。本社にはインド人従業員が約500人、そのうち日本人はたったの10人。ほぼインド人に囲まれた環境で仕事をしています。
面接の際に「分業制なので、一つのプロセスを進めるにも複数のインド人と協力する必要がある」と言われたように、営業、バックオフィス、経理…と様々な部署の人と協力・調整しながら仕事をしています。
実際の業務の大半は、プロセスを円滑に進めるために各部署の人々をフォローすることが占めています。依頼すれば、期日より前に作業が完了する日本とは異なり、インドでは、注意してメールや電話でフォローしないと、物事が進まないことがほとんど。フォローする対象が多くて、自分のキャパを超えてしまい(忘れてしまい)、プロセスが遅れたりすると自己嫌悪に陥ることも。
もちろんお客様訪問や提案資料をまとめるなど、自分で舵取りができる業務もあります。ですが、すべてのプロセスを終わらせるにはインド人との協力は不可欠。日本人である自分が、どこまで主導権をもってサポートをするのかいつも悩みます。
一人一人の特性や性格、状況を見て試行錯誤しながら、バランスを考える日々です。
大気汚染で街中真っ白

首都デリーおよび北部インドの大気汚染は毎年深刻です。
特に寒気の10月中旬から1月下旬までは、大気汚染がひどい時期です。どのくらいひどいかというと、街には白い靄がかかり、臭いも漂うほど。
コロナによるパンデミック前は、マスクをするインド人をほとんど見ることがありませんでしたが、ここ最近は街中でもPM2.5対応のマスクをしている人たちも見かけるようになりました。学校をオンライン授業にする、走行する車両数を減らすなど、人体への影響を最低限にするための試みが各州で毎年検討されています。
私もインド生活が2年を過ぎた頃から咳やアレルギー性鼻炎に悩まされるように。
対策として、自宅で空気清浄機を使い始めたり、のど飴やのどスプレーを常備したりするように。アーユルベーダ式の鼻洗浄をしたり、耳鼻科で処方される飲み薬にも頼ったりしています。
マスクもつけたほうがよいと思うのですが、私には鬱陶しく、よほど体調がひどくない限りはつけていないです。大気汚染は寿命を縮める、肺の機能を低下させるなど、人体への影響がでてくると言われているので切実に改善して欲しいなと思います。
布団と毛布が必須な北インドの冬

実は、北インドには冬があります。私が住んでいるグルガオンも1月の一週目は日中の気温が一桁台になり、雪こそ降らないものの、かなり寒いです。
まず室内。インドの家は床が石で、密閉性が低く隙間風も入ってきます。またインドでは、北向きの部屋が好まれるので、日中でもあまり日が入らない部屋が多いです。私は、南向きの部屋を選んだため、冬でも日差しが入るとわりと温かいですが、代わりに夏場はとても暑いです。
暖房は、オイルヒーターか温風の出るヒーターがよく使われます。エアコンで暖房機能がついている部屋もありますが、まだ少ないです。私の部屋のエアコンは冷房機能だけなので、オイルヒーターを使用。寝る時は、フリースを着て、毛布と布団をかけて寝ています。
そして冬に何よりつらいのがシャワー。「ギザ」と呼ばれる湯沸かし器がバスルームにあり、そこでお湯をわかし、温水がでてくる仕組みになっています。ですが、温められるのはギザの内部の水だけ。
バスルームも石のタイルに囲まれているので非常に寒く、寒いからとシャワーの水を出しっぱなしにしておくとあっという間にお湯がなくなってしまいます。そのため、バケツにもお湯をためて、シャワーと併用するなど工夫しながら冬を乗り切っています。
どうしても「湯量を気にせずシャワーあびたい!」「なんだったら湯舟にもつかってじっくり暖まりたい!」という時は、週末ホテルステイを決行します。女子会を兼ねて友達と泊まるのは気分転換になります。
もっと早く海外生活を始めていれば

インドに来てからいろいろなハプニングはありましたが、海外生活をはじめもうすぐ8年。未だに「インドいやいや期」を迎えずに今日までくることができました。
何も知らないで選んだ「インド」という国だけれども、他人との距離感が程よく助け合える環境があり、来なければよかったと思ったことは今まで一度もないです。
その理由は、私にとって「ワークライフバランス」が非常に大事で、そのバランスがインドでは非常によく取れているから。
仕事も思いっきりできて、腹をわって家族のように話せる友人たちとの時間、趣味でつながる仲間との時間、インド国内・国外の旅行、など仕事以外での時間の使い方を充実させ、豊かな人間関係を築くことができたことが、私が海外生活を続けてこられた理由かなと思っています。
インド生活を初めた当初は、本当につらく、海外生活も初めてなのに、未経験の業種・職種を選んでしまい、思い切り過ぎてしまったかと思ったこともあります。商品知識を理解する、覚えるのも一苦労。外国人がインドで雇用ビザを取得するには、最低給与水準(年間162万5000ルピー、約277万円)が定められていますが、当社では(現地の)課長レベルの給与と聞いていたので、給与泥棒ではないかと思うと余計に焦り、仕事を続けられるのかと不安にかられたこともありました。
でも今は、1年でも2年でも早くインド(海外)での生活をはじめ、経験値を増やせばよかったと思うことが多いです。
英語力を伸ばす、現地語の習得をめざす、今の業界の商品知識やお客様の事業内容を理解する、インド経済を学ぶ――どの面を切り取っても、日本で足踏みをせずにインドでこれらの経験やスキルを伸ばす時間にあてていたら、と思います。
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