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8月のトピックは「なぜ海外移住をしたの?」です!
海外移住をした理由は、人それぞれ。深く探ってみると、読者の皆さんとの共通点も見えてくるかもしれません。
今回は当時の状況を振り返って、じっくりとその理由について語ってもらいます。
ライフスタイルを変えたい!移住の理由
マレーシアアンバサダーの佐々木華江です。
海外に移住しようと決断する理由は本当に人それぞれ。
海外在住日本人と海外を訪れる日本人をマッチングする「ロコタビ」が2023年2月にオーストラリア、ニュージーランド、カナダに住む日本人を対象に行った調査では、海外移住の主な理由として「学び(語学・留学)のため」が1位に。
以下、「家族・パートナーの転勤のため」、「結婚・恋愛・出会いのため」、「生活環境の改善のため」、「仕事・キャリアのため」と続いていました。
この中で私が海外移住をしようと思った理由は、「生活環境の改善」が一番近いです。もちろん、「仕事・キャリアのため」という側面もあります。
ですが、業種によって生活スタイルがガラリと変わることもあるため、「その仕事ではどんなライフスタイルになるか?」という点もとても重要なポイントだと思います。その優先事項は、年齢によっても変わってくるでしょう。
「子どものいる人生を歩むか?」人生の分岐点に
私自身の仕事とライフスタイルを振り返ってみます。
大学を卒業した23歳から35歳までは、外資航空会社の客室乗務員をしていました。
新卒の頃は同世代の人達と比べると手取り額も悪くなく、独身生活には充分。また航空会社ならではの福利厚生にも恵まれ、毎月のように世界を旅しながら、好きなものを食べ、お買い物も楽しみ、若い日々を謳歌していました。
しかし、35歳に差し掛かると、今後のことを考え始めました。それは、「子どものいる人生を歩むか否か」。
女性だからこその悩みなのかもしれないし、男性でも同じように悩むのかもしれません。どちらの選択にも正解はないですが、私は「産む」という選択をしました。そして不妊治療によって、第一子を授かることができました。
出産後、養育費を稼ぐために私が転職先として決めたのは、企業が運営する保育園。日本企業に就職するのはこれが初めてのことでした。
選んだ理由は、子育てに理解がありそうだと思ったから。
しかし、その日々は想像以上に怒涛でした。朝、子どもを保育園に送り、満員電車に飛び乗る。駅から職場までは、20分以上も歩く。
帰りはその逆の工程で、家に帰るのは19時近く。21時までに寝かしつけを終わらせるために、大急ぎで食事の準備、お風呂、洗濯、翌日の保育園の準備や連絡帳の記入などを行っていました。
そんな生活で、平日はとにかくクタクタ……。子どもが寝た後でゆっくり過ごすことは、正直一度もありませんでした。
こんなに頑張っているのに、手取りでの給料はスズメの涙ほど。ニュースでもよく話題になっているように保育業界・教育業界では、重労働なのに低賃金です。
給与明細をよく見ると、かなりの額が社会保険料で引かれています。あまり意識してこなかったけれど、その額がジリジリと上がっていくのを見て恐ろしくなった記憶があります。
休暇に対する考え方にも驚きました。念願の第一子を授かったので、家族で海外旅行に行ったり、余暇を楽しみたいと思うもの。金銭的にも余裕はありませんでしたが、そもそも有給休暇を使うことが難しい!
もちろん会社によるとは思いますが、勤務先の保育園で有給を申請したら「子どもが病気になった時のために取っておくべき」と却下されたのです。「これは日本だから?」「それとも中小企業だから?」と不満は溜まっていきました。
汗水垂らして働いて、子育てのために奮闘する。それなのに、自分の休む時間はほとんどなく、有給もほぼ子どもの病欠で消化されていく……。
そして、待ちに待った年1回の昇給日。提示された額はなんと「千円」。モチベーションはどんどん下がってしまい、2人目の出産後は、「もう戻れない」と絶望していました(笑)。
何のために働くの?プラスに変わった価値観
経済が停滞し、少子化が止まらない日本と比べて、マレーシアは絶賛成長期。「就職氷河期」や「失われた10年」と呼ばれるモヤモヤとした時代を過ごしてきた私にとって、そんなマレーシアはとても魅力的でした。
労働環境面でも、法律で病欠有給が14日間設けられています。
病気になっても余暇で使える有給を消費する必要はありません。有給も多く、余暇で休暇も堂々と取得することができます(私の会社では、初年度は有給12日。祝日に働くと代休として有給が増えます)。
同僚たちの「使っても使っても今年中に有給消化しきれない!」という不満も私には嬉しい悩みにしか聞こえません。
さらに、消化できない有給は買取りもOK。毎年の昇給額や預金の金利…いろんなものが右肩上がりです。ちなみに、毎月の給与から引かれるのは10%ほどの所得税のみ。
何よりも嬉しいと感じているのは家族との時間が増えたこと。
私はクアラルンプール中心部の企業と、郊外にある企業の2社から内定をもらったのですが、あえて郊外の会社を選びました。郊外の方が家賃を抑えられ、通勤時間もぐっと短くなるからです。
日本からGoogleマップで目星をつけていた会社の目の前のコンドミニアムを到着後すぐに契約。通勤時間45秒を実現させました(笑)。
居住環境も素晴らしく、2ベッドルームそれぞれにシャワー、トイレ付き。リビングも日本で住んでいた家より広く、家賃はRM2,200 (約74,000円)。
ほとんどのコンドミニアムにはプールやジム、子どもの遊べるプレイグランドが公共施設として付いています。
ちなみに私たちは、もう少し家賃を抑えるために、同じコンド内の少し狭い部屋に引っ越し予定。家賃はRM1,800(約60,000円)に下げられそうです。
コンドミニアム内で子どもの習い事や遊びができる環境なので、安全かつ移動時間も節約できます。やりたいことに時間が使えるようになりました。
会社、保育園、スーパー、遊び場が徒歩圏内にあるため、休日は遠出や旅行をするようになり、家族みんなで一緒に過ごすことができています。
「働く」ということに何を求めるかは人によって違います。年齢やライフステージによっても変わってくるでしょう。
出産後の私にとって、働くことは「辛い日々に耐えることへの対価」という感覚でした。今では、「家族と一緒に過ごしたり、生活の質を上げていったりするための大切なツール」と考えられるようになりました。
もし皆さんが日本での生活に悩んでいたり、なにか突破口を探していたりするのであれば、海外就職・海外移住について考えてみる時なのかもしれません。
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佐々木華江さんの海外移住については、こちらの記事 もご覧ください!
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