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ひとつの部屋に内見100人以上?!必要なのは「宝くじレベル」の運とDIYの技術|オランダ・Riko

世界各国から現地のリアルな情報をお届けするアンバサダー発信。7月のトピックは「わたしの一大関心事」です!海外移住をした理由は、人それぞれ。仕事も生活環境も違う9カ国のアンバサダーの皆さんが、今いちばん気になっていることとは?Rikoさんが注目するのは、家探し。ひとつの部屋に100人以上の人が内見に殺到するオランダでの家探しは「宝くじレベルの運」が必要とされるようです。その他にも、驚きの慣習があって…?

「Good Luck!」のエール、家探しは運頼み?

Goedemiddag! オランダよりRikoです。

今回はオランダの住宅市場についてお伝えしたいと思います。

オランダはビザが取りやすく、移住先としてもとても魅力的な国の一つではありますが、一つだけ難があるとすると住宅探しだと言われています。オランダで家探しを始めると、地元の人は口を揃えて「Good Luck!」と慰めのようなエールを送ってくれます。それもそのはず。オランダ人でさえ、家探しに苦労しているのですから。

最近ベルギーからオランダに移住してきた友人もその一人。首都のアムステルダムで探していましたが、「とにかく候補がない」「内見にも行かせてもらえない」と想像の難航具合に。なんとか契約できたのは、電車でアムステルダムから1時間ほどかかるライデンという都市のアパートでした。

新卒の採用試験に例えると、100社以上に応募して、そのうち20社で書類が通過し、3社から内定がもらえる、といったイメージでしょうか。なかなか厳しい現実です(笑)。

「奇跡」で掴み取ったアパート、相場は25万円

私は今、アムステルダムでアパートを借りています。ですが、これは「奇跡」レベル。

というのもアムステルダムでは、新築アパートが建つたびに一つの部屋に100人以上が応募するような状況なのです。内見のオファーが通るだけでもラッキー。そのため、内見のチャンスがあれば、その部屋をキープしなければ次はないという、なんともサバイバルな世界です。

日本で一人暮らしをしたことがなかった私は、憧れのオランダで好みの条件にぴったりの部屋を探せるのかとワクワクしていました。ですが、現実は一つ一つ条件を選んでいたら住む家なんて到底見つからず……。「宝くじレベルの運」が必要とされる現実に、心が折れた瞬間もありました。

さらに、家賃も桁違いに高いのが頭の痛いところ。東京都内でも立地がいい場所であれば、一人暮らし向けのアパートでも15万前後はするかもしれません。ところがオランダでは、アムステルダムはともかく、アムステルダムから1、2時間離れている都市でさえも、最低1,500ユーロ(約25万円、1ユーロ=170円で計算)が相場です。

加えて、光熱費、水道代がかかるわけですから、生活費は日本と比べ物にならないほど高いです。そのため、学生の多くはルームシェア。就職後も、シェアハウスが主流なのも頷けます。

環境配慮は…?退去時は床板はがしがマスト

アパート入居時の状態。コンクリートがむき出しです

今でも一つ疑問に思っていることがあります。それは、ヨーロッパは環境に配慮した「サステナビリティー」の考え方が日本よりも進んでいると言われています。ですが、オランダの住宅市場ではもったいないことだらけ。

中でも驚いたのが、家を出るときは床板をはがしていかなければいけないこと。私が入居した際には、床板も電気も設置されていませんでした。暗い部屋で一人電気を取り付け、床板を買ってきてはめ込み、コンクリートむき出しの壁をペンキで塗るというまさにDIYの世界でした。

オランダに来て私は何をしているのだろう……と自問自答の日々もありました。けれど、これも経験の一つ。日本にいたら、自分の部屋の壁を塗ったりすることもなかったのだろうなと前向きにとらえました。

海外移住というと、一見楽しく充実した日々を思い浮かべますが、良くも悪くも日本では経験することのないことだらけ。しかし、自己成長という意味では、とても多様な経験を積めるのではないでしょうか。

オランダでは住宅市場は引き続き最難関と呼ばれると思いますが、これも楽しみの一つと考えれば面白いかもしれませんね。

床板を入れて壁を塗ったあとの達成感は、何にも変えられません

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