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2月のトピックは、「価値観の変化」です。
海外移住をすれば、色んな発見があるはず。世界各国で働き、暮らすアンバサダーの皆さんには、どんな経験をして、どんな価値観の変化があったのでしょうか?
はろーぽ!フィリピンのヒデシマです。
フィリピン生活も5年目に突入しました。
よく「海外に行って価値観が変わった!」と聞きます。
私自身のことを振り返ると、実は価値観が変わった!という感じはありません。
元々日本が好きだし、フィリピンのことが色々分かった今も変わらず、日本の方が好きです。ではなぜ、フィリピンに住み続けるのか?それは、家族と一緒にいることが今の私にとって何より大事だからです。
例えるなら、沖縄に住みたいと思いながら東京に住んでいる、でも、東京は東京の楽しみ方があって、まあまあ楽しく毎日過ごせちゃう感じ。理想はあるけど、現実の選択肢の中で自分なりにやっている。そんな感覚でしょうか。
フィリピンへのイメージと現実
ただ、もちろん移住前後で変わったこともあります。
たとえば移住前は、フィリピンに対してこんなイメージを持っていました。
- 不潔そう(フィリピン=スラム街、途上国。道などが汚く、治安が悪い)
- 時間にルーズ(フィリピンタイムってよく聞くし、南の国の人はのんびり)
- フレンドリー(気さくで、ホスピタリティの高い国民性)
でも、実際に住んでみると、「フィリピンは〇〇」「フィリピン人は〇〇」と決めつけること自体が無意味だと気づきました。
日本でも飲み屋街やシャッター街など掃除が行き届いていない場所はあるし、フィリピンでも外国人が多いエリアなどは驚くほど清潔、安全です。フィリピン人、日本人、その他の国々の人たちと一緒に働いてみて、時間のルーズさ、フレンドリーさは個人の性格によることにも気づきました。
インターネットやSNSでは「フィリピンの〇〇3選!」のようなまとめ方をされることもよくあります。けれど、結局は一部の話で、住んでみて実感したのは、国単位で人を語るのは難しいということでした。

「海外なら○○しないと」?
海外移住の醍醐味の1つに、その国の文化にどっぷりつかれることもありますね。
私も特に移住直後は、「せっかくフィリピンにいるなら○○しないともったいない!」とフィリピン在住者の日本人によく諭されたものです。そのプレッシャーに負けてビーチリゾートや、スラム街に出かけたり、色々食べてみたりしたのですが…、正直どれも私にはピンときませんでした(笑)。
今となっては、お気に入りのカフェや行きつけの日本食スーパーも決まり、食事も日本食に落ち着きました。当たり前のことですが、「興味があれば、やれば良い」というスタンスに落ち着いたのは割と最近のことです。

「海外生活=キラキラ」ではない
移住前、Instagramで「フィリピン_カフェ」と検索したことがあります。
出てきたのは、素敵なカフェやリゾート地でゴージャスな生活を送る女性たちの姿、ローカルのカフェで多国籍な友人たちと過ごし、現地人しか行かないようなディープな飲食店を開拓するフィリピンに溶け込んだ方々の姿――。
当時私は、海外に住む日本人は、こうしたキラキラした人たちばかりで、そうでない自分が劣っているような気後れ感がありました。
でも、実際に知り合ってみると、カフェ巡りや旅行を楽しんでいる女性が、実は働きたいのに働けないと悩んでいたり、友人関係が多国籍で幅広い男性が、実は結婚を考えていたフィリピン人の女性に騙されて傷ついていたり……。
キラキラして見える生活の中にも、それぞれの葛藤があるんだなと思いました。
私が駐在員だった時、「現地採用の人たちは、すぐ辞めるから気楽で良いね。自由そうだね~」と話していたことがあります。でも、現地採用になった今は、駐在時代よりも業務範囲も広く、部下も多く、責任のある仕事を任されて悩むことも多いです。
どこに住んでいても、どんな立場でも、人それぞれの悩みがあります。「海外だから」、「現地採用だから」と一括りにはできないし、自分が心地よいスタイルで堂々と暮らすのが一番大事だと思うようになりました。

フィリピンに触れて生じた変化
さて、その他、日本にいたままではきっと気づけなかった自分の中での変化をご紹介します。
- 仕事をすぐ休む・辞めるフィリピン人社員たちを見て:
私自身も休むことへの罪悪感が減り、無理しないお陰で、気楽に仕事に向き合えるようになった。
- ステイケーションで良いホテルに安く泊まれる:
日本ではきっとしなかっただろうリフレッシュ方法を知り、気軽に贅沢気分・非日常感を自分にプレゼント出来るようになった。
- 人件費が安いので、ベビーシッターさんやメイドさんを雇って:
産後の負担が少なく、自分の時間を持てるお陰で、想像より育児が辛くない!
- 日本食や日本の本など、フィリピンでは高いけど買い続けている:
自分がお金をかけたいところ、大事なものがはっきりした。

価値観の変化? 自分らしさの発見
「海外移住で価値観は変わった?」と聞かれたら、やはり、変わったという感じはありません。
それよりも、「変わったというより、自分らしくなった」というのが近いでしょうか。
フィリピンに住んで、日本にいるより自由になり、気楽に働けるようになりました。その一方で、日本が好きな気持ちは強まるばかり。
また、国や職業などのジャンルで他人を括らなくなってからは、他人と自分との比較は減り、自分の選択にも自信が持てるようになりました。
価値観を変えるために海外に来たわけではありませんが、結果的に「自分らしく生きる」ことを大切にするようになりました。これからも、自分のペースで暮らしていこうと思います。
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