海外就職その後の体験談
『これぞ海外就職!インド地場企業で唯一の日本人正社員として働いてみた』インド:グルガオン3年4ヶ月滞在 N.Tさん29歳
海外就職をして3年以上経過した方のインタビュー
Q1:現在お住まいの国及び都市はどこですか?
日本・東京都(昨年インドから帰国)
Q2:Q1での勤務年数は?
インド滞在期間:3年4ヶ月
Q3:日本を離れてから現在までの経緯は?
インド・グルガオンで日系大手メーカーにてマーケティング戦略を1年4ヶ月、その後インド系コンサルティング会社にて日系企業のインド進出コンサルティング業務などを2年。その後日本へ帰国し、同企業の日本拠点の代表として活動中。
Q4:現在、どんな業界、職種でお仕事をされていますか?差し支えなければポジションもお知らせください。
引き続き、インド系コンサルティング会社にて日系企業のインド進出コンサルティング業務を担当。ポジションはBusiness Managerで、日本拠点の代表を務めている。
Q5:海外だからこそ経験できた仕事内容を具体的に教えてください。
月並みだが、英語で仕事ができたこと。日本人正社員は私一人で、社内にはイタリアデスク、フランスデスクなど欧州出身のメンバーが各国1, 2人ずついる以外、99%インド人。その為、社内公用語は勿論英語。また、自社はインド国内4拠点構えており、クライアント企業の所在地に応じて担当拠点が分かれていた為、遠隔でのマネジメントも経験。
具体的な仕事内容の一例としては、JETRO・中小企業海外展開現地支援プラットフォーム事業にてムンバイ事務所のコーディネーターを自社が拝命。年間数十社の日系中小企業のインド市場参入に関する相談対応を行った。業務内容としては、相談企業の製品・サービスのインドにおける市場性を調べ、レポートを作成したり、現地販売代理店の候補企業を調査・リストアップといったことが挙げられる。全相談を私が窓口として “咀嚼” し、具体的な調査内容へ落とし込み、インド人の当該チームへ指示。スケジュール管理を行い、成果物の内容を確認。適宜日本語への翻訳やデザインの変更、追加調査を自ら行い、最終成果物を提出していた。
具体的な仕事内容の一例としては、JETRO・中小企業海外展開現地支援プラットフォーム事業にてムンバイ事務所のコーディネーターを自社が拝命。年間数十社の日系中小企業のインド市場参入に関する相談対応を行った。業務内容としては、相談企業の製品・サービスのインドにおける市場性を調べ、レポートを作成したり、現地販売代理店の候補企業を調査・リストアップといったことが挙げられる。全相談を私が窓口として “咀嚼” し、具体的な調査内容へ落とし込み、インド人の当該チームへ指示。スケジュール管理を行い、成果物の内容を確認。適宜日本語への翻訳やデザインの変更、追加調査を自ら行い、最終成果物を提出していた。
Q6:苦労したことは?壁にあたったことは?帰りたいと思ったことはありますか?
明確に「帰りたい」と強く思った記憶はないが、仕事で “猫の手も借りたい” と思う時期はあった。その苦労の要因は、業務内容の専門性の高さ。業務の性質上、日印両国の法令等を精査する必要があるが、如何せん日本人正社員は自分一人だし、インド人スタッフは勿論、日本の法令等に精通している訳ではないので、日本側の事情を社内のインド人に伝えること、インド現地での対応方針をクライアントである日系企業側に伝えること、に困難を感じたことは多々あった。時期を問わず、こういった状況には直面していたが、一番多かったのは、2018年度上半期頃。
Q7:Q6をどのように克服しましたか?
インタビューとして回答させていただくにあたり、華がなくて大変申し訳ないが、「自分でひたすら調べる」「会計士や弁護士等、業務内容に合わせて社内のインド人に、わかるまで食らいついて聞きまくる」「自分の言葉で説明できるまで “咀嚼” し、クライアントへ説明する」といったことの繰り返しだった。クライアントからの質問等は突如寄せられるもので、且つその範囲も広大である為、事前に予想し準備できるような性質の業務ではない。結果として上述のように大変地道な取り組みが必要になる。その意味で、「必要になったもの」は根気強さだと思う。
Q8:海外就職して得たこと(成長したこと)は何ですか?
印象的な学びの1つは「国籍が違えど、コミュニケーションの基本は良好な人間関係の構築である」ということ。入社直後は、それこそ “どこの馬の骨ともわからない” ただの日本人で、tele conference等を行っても、時にインド英語の訛りを聴き取れなかったり、彼ら彼女らからしたら当然とも言えるインドの法令・ルールや商習慣についてもしつこく聞かれて、もしかしたら鬱陶しがられていたかもしれない。しかし、案件1つ1つに真摯に向き合っていく中で、「Naoki は〇〇な人間だ」という為人がインド人スタッフ達にも伝わり、信頼関係が構築されたのだと実感している。その為、ある時期からは、わからないことをわからない、と質問し続けることにも抵抗が無くなったり、相手の顔色を過度に気にすることなく、良好な関係で仕事に向き合うことができたと思う。
Q9:現時点でかまいませんので、今後のキャリアをどのように考えていますか?
漠々としているが、自ら事業を興し、インドに展開できるような人材になりたいと考えている。
Q10:最後に、これから海外就職を希望される方へどのようなことでも良いので、コメントください。
(万人にこれが必要だとは思いませんが)海外就職したい理由を言語化し、適切な人から適切な情報収集を行い、それでいて慎重になり過ぎず、現地に飛び込んでみてください。一口に海外就職と言っても、日系企業の現地法人なのか、現地企業なのか、はたまた欧米等の外資系企業なのか、といった企業形態1つ取っても現地での仕事の仕方は異なります。せっかく海外就職をするのであれば、現地の方々などと公私を問わず多く交流されることをおすすめします。
プロフィール
『これぞ海外就職!インド地場企業で唯一の日本人正社員として働いてみた』インド:グルガオン3年4ヶ月滞在 N.Tさん29歳
事業を興しインドに展開できるような人材になる
東京農工大学を卒業後、株式会社三井住友銀行に新卒入社。富裕層向けの資産運用の提案営業。その後インドへ渡り、大手日系メーカーでマーケティングを担当。インド国内転職をし、インド地場の会計コンサルティング会社に初の日本人正社員として入社。日系企業のインド進出支援から、進出後のコンプライアンス対応等、幅広い支援業務に従事。2019年8月に帰国し、2020年現在、同社の日本拠点の代表として活動している。