海外就職その後の体験談
『あっという間に海外生活10年!20年、30年と続くかも』ベトナム在住8年 K.Oさん 37歳
海外就職をして3年以上経過した方のインタビュー
Q1:現在お住まいの国及び都市はどこですか?
ベトナム・ハノイ市(北部、首都)
Q2:Q1での勤務年数は?
約8年
Q3:日本を離れてから現在までの経緯は?
マレーシアの日系製造業での法人営業2年、その後、ベトナム・ハノイの会計投資コンサルで8年となります。
Q4:現在、どんな業界、職種でお仕事をされていますか?差し支えなければポジションもお知らせください。
日系コンサル勤務で、クライアント企業の経理・税務・給与計算代行、会社設立代行、労働許可証・ビザ取得代行サービスに従事しています。
業務内容は、日本の税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士のイメージで、仕事範囲が広いです。
クライアント企業はほぼ日系企業です。現在の会社のポジションはExpertとなります。
業務内容は、日本の税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士のイメージで、仕事範囲が広いです。
クライアント企業はほぼ日系企業です。現在の会社のポジションはExpertとなります。
Q5:海外だからこそ経験できた仕事内容を具体的に教えてください。
・外国人スタッフのマネジメント(採用面接、指導、人事評価、給与交渉など)
・日系企業や日本在住のクライアントに、ベトナムの最新の法令や生情報を報告
・日系企業や日本在住のクライアントに、ベトナムの最新の法令や生情報を報告
Q6:苦労したことは?壁にあたったことは?帰りたいと思ったことはありますか?
仕事面でも生活面でも沢山あります。笑
<それはいつ頃ですか?>
2018年頃です(ベトナム勤務を開始して3年目)
<それはどのようなことですか?>
ビジネス面で一つお話させて頂くと、前職時代に経験した、ローカルスタッフとの衝突です。私は日系企業で勤務しており、クライアントも日系企業なので、日本の商習慣に従うのが当たり前と考えていました。
それはそれで一理あるのですが、ベトナム人社員の大半は日本に行ったことも住んだこともなく、日本の商習慣と言われても、「?」となることが多々ありました。
例えば、日本人は成果物やレポートの内容だけでなく、見た目のデザインや見やすさにも常に注意を払いますが、ベトナム人は、重要度や成果物の種類により、区別している印象があります。重要度が高くなければ、クライアントに提出するものであっても、「体裁がそこそこ整っていれば良い」、「クライアントに提出した後に、誤りなどを発見した場合であっても、その都度修正して、再提出すれば良い」と考えていることがあります。
また、クライアント訪問時に名刺を忘れるスタッフがかなりいました。(ベトナムでは名刺を携帯していないビジネスパーソンは珍しくありません)そのような時に、「日本のビジネススタイルはこうだから、従いなさい」と頭ごなしに注意して、スタッフを混乱させてしまい、早期退職や社内不和を招いてしまいました。
<それはいつ頃ですか?>
2018年頃です(ベトナム勤務を開始して3年目)
<それはどのようなことですか?>
ビジネス面で一つお話させて頂くと、前職時代に経験した、ローカルスタッフとの衝突です。私は日系企業で勤務しており、クライアントも日系企業なので、日本の商習慣に従うのが当たり前と考えていました。
それはそれで一理あるのですが、ベトナム人社員の大半は日本に行ったことも住んだこともなく、日本の商習慣と言われても、「?」となることが多々ありました。
例えば、日本人は成果物やレポートの内容だけでなく、見た目のデザインや見やすさにも常に注意を払いますが、ベトナム人は、重要度や成果物の種類により、区別している印象があります。重要度が高くなければ、クライアントに提出するものであっても、「体裁がそこそこ整っていれば良い」、「クライアントに提出した後に、誤りなどを発見した場合であっても、その都度修正して、再提出すれば良い」と考えていることがあります。
また、クライアント訪問時に名刺を忘れるスタッフがかなりいました。(ベトナムでは名刺を携帯していないビジネスパーソンは珍しくありません)そのような時に、「日本のビジネススタイルはこうだから、従いなさい」と頭ごなしに注意して、スタッフを混乱させてしまい、早期退職や社内不和を招いてしまいました。
Q7:Q6をどのように克服しましたか?
<克服するうえで準備したことや必要になったものは?>
<克服した方法や取り組みは?>
「日本の常識は世界の非常識」ということを意識することです。
日本のスタイルで指導しても、内容や状況によっては、「日本人上司から理不尽なことを言われた。パワハラされた。」と捉えるベトナム人スタッフもいます。
上述の例でいれば、「少々粗くても、レポート内容の数値に間違いがなければ良い。何故、日本人はそこまでデザイン、見やすさにこだわるの?」、「名刺を忘れたぐらいで、何故、叱責されないといけないの?次の面会時に渡せば良いじゃん。」と返されたこともあります。
そのような反省を踏まえて、今では、ベトナム人の上司部下同僚問わず、「日系企業や日本人のクライアントは質やマナーを重要視するから、面倒に感じるかもしれないけど、指示に従ってね。」と相手の立場に配慮して、かみ砕いて説明するように心がけています。
私自身、8年以上経過しても、ベトナム人の考え、価値観やマインドなどをしっかりと把握できているとは言えず、コミュニケーション方法は日々、模索中です。
何年経っても、完璧に把握することなど出来ず、試行錯誤を今後も続けて、コミュニケーションスキル向上に努めていくしかないと考えています。
<克服した方法や取り組みは?>
「日本の常識は世界の非常識」ということを意識することです。
日本のスタイルで指導しても、内容や状況によっては、「日本人上司から理不尽なことを言われた。パワハラされた。」と捉えるベトナム人スタッフもいます。
上述の例でいれば、「少々粗くても、レポート内容の数値に間違いがなければ良い。何故、日本人はそこまでデザイン、見やすさにこだわるの?」、「名刺を忘れたぐらいで、何故、叱責されないといけないの?次の面会時に渡せば良いじゃん。」と返されたこともあります。
そのような反省を踏まえて、今では、ベトナム人の上司部下同僚問わず、「日系企業や日本人のクライアントは質やマナーを重要視するから、面倒に感じるかもしれないけど、指示に従ってね。」と相手の立場に配慮して、かみ砕いて説明するように心がけています。
私自身、8年以上経過しても、ベトナム人の考え、価値観やマインドなどをしっかりと把握できているとは言えず、コミュニケーション方法は日々、模索中です。
何年経っても、完璧に把握することなど出来ず、試行錯誤を今後も続けて、コミュニケーションスキル向上に努めていくしかないと考えています。
Q8:海外就職して得たこと(成長したこと)は何ですか?
日本人の仕事スタイルやマインドなどを絶対視せず、客観的に見れるようになったことです。
日本で働いていた時は、会社の上層部や年長者に従うだけでしたが、冷静に考えると、不合理な習慣がはびこっています。
「会議でも飲み会でも、始まりの時間厳守には異常に厳しいのに、何故か終了時間が曖昧。サービス残業が珍しくない」
「特に大手企業は、決裁や社内調整に時間をかける。決裁者が多く、責任の所在が不透明」
「同じような作業の繰り返しやダブルワークが多い」
「製造現場は乾いた雑巾を絞るように、無駄やコストを意識するのに、本社には人件費削減の余地が大いにある(時間を持て余している管理職が多い)」
など、非生産的なところが多くあります。もちろん、ベトナム人の勤務スタイルを称賛するつもりはありませんが、日本の経済力や日本の理系分野(製造業など)の技術力の高さだけをみて、盲目的に、「日本人の勤務スタイルは正しい。ベトナム人に指導が必要だ」と極端に考えるべきではありません。そのような、上から目線の日本人が一定数、ベトナムにいますが、距離を取るようにしています。
日本で働いていた時は、会社の上層部や年長者に従うだけでしたが、冷静に考えると、不合理な習慣がはびこっています。
「会議でも飲み会でも、始まりの時間厳守には異常に厳しいのに、何故か終了時間が曖昧。サービス残業が珍しくない」
「特に大手企業は、決裁や社内調整に時間をかける。決裁者が多く、責任の所在が不透明」
「同じような作業の繰り返しやダブルワークが多い」
「製造現場は乾いた雑巾を絞るように、無駄やコストを意識するのに、本社には人件費削減の余地が大いにある(時間を持て余している管理職が多い)」
など、非生産的なところが多くあります。もちろん、ベトナム人の勤務スタイルを称賛するつもりはありませんが、日本の経済力や日本の理系分野(製造業など)の技術力の高さだけをみて、盲目的に、「日本人の勤務スタイルは正しい。ベトナム人に指導が必要だ」と極端に考えるべきではありません。そのような、上から目線の日本人が一定数、ベトナムにいますが、距離を取るようにしています。
Q9:現時点でかまいませんので、今後のキャリアをどのように考えていますか?
現在の会計投資コンサルを続けていくつもりです。
上述の通り、守備範囲が広く、まだまだ未経験の業務も多いため、今の仕事を追求してスキル向上に努め、クライアントに貢献していきたいと考えています。
ベトナムで2~5年程度勤務し本帰国する、同業他社コンサルタントが多いですが、経験を積めば積むほど、クライアントに提供できる価値が向上し、やりがいも大きくなることを実感していますので、今後の自分自身の成長が楽しみです。
上述の通り、守備範囲が広く、まだまだ未経験の業務も多いため、今の仕事を追求してスキル向上に努め、クライアントに貢献していきたいと考えています。
ベトナムで2~5年程度勤務し本帰国する、同業他社コンサルタントが多いですが、経験を積めば積むほど、クライアントに提供できる価値が向上し、やりがいも大きくなることを実感していますので、今後の自分自身の成長が楽しみです。
Q10:最後に、これから海外就職を希望される方へどのようなことでも良いので、コメントください。
海外在住の日本人は約130万人(そのうちベトナム在住者は約2万人)で、人口の1%超だけです。海外在住経験人数は不明ですが、マイナーであることは間違いなく、海外就職に不安があるのは当然のことだと思います。
私のように海外にいって良かったと思う人もいれば、イマイチだったと感じる人もおり、それはやってみないと分かりませんし、誰も何も保証はしてくれませんが、一度しかない人生、迷っているのであれば、チャレンジしてみることをお勧めします。
海外就職といっても、国や業界、ポジション、業務内容により、10人いれば10通りの道があり、一括りでは説明できません。
アメリカで働くのと、中国で働くのでは、言語環境や生活、物価、一時帰国の頻度が大きく異なると想像できると思います。
海外就職1社目は、どんなに情報収集して慎重に選んでも、水に合わない会社に入社してしまうことがあります。そこを短期間で辞めて、本帰国される方がおり、それはそれで、その方の人生なので、意見するつもりはありませんが、せっかく片道切符で海外に来て、短期間で見切りをつけるのは勿体無いとも感じてしまいます。
私のように、海外就職2社目、2か国目で天職に巡り合う人もいますので、1社目が不運にも合わなかった場合、他国も含めて転職を検討しても良いかと思います。
私の場合、海外就職1社目が製造業の技術営業で、技術知識の習得に苦労し、早期での退職となりました。最後に、海外就職時の実務上の留意点、ベトナム就職(他国と比較した上で)のメリット、デメリットを、あくまでも私の主観ですが、お伝えさせて頂きます。
<海外就職時の留意点>
・住民票を除票した場合、日本での社会保険は任意加入となる。国民年金を継続するかどうか、自己決定することになります。(私は、国民年金を継続し、国民年金基金にも加入しています)
・就職活動、短期語学留学、渡航費用、渡航前の日本での住民税一括支払、現地での当面の生活費に備えて、一定の貯金(できれば、70~100万円程度)を準備した方が良いです。
・駐在員とは異なり、ワクチン接種、引っ越し、渡航フライトの手配、現地での住居探しなど、手取り足取りサポートしてくれる人はいません。個人事業主になったつもりで、自分から積極的に情報を集め、行動していく力(サバイバル能力)を培っていく必要があります。また、現地採用の場合、定期昇格や定期昇給のない会社が大半なため、人事評価に納得がいかない場合、我慢や謙遜はせず、自分の能力に見合った給与を交渉していく力も求められます。
<ベトナム就職のメリット>
・異業種への転職、キャリアチェンジがしやすい。代表者、管理職ポジションの採用がある。
・労働法上、外国人労働者には退職金を受け取る権利がある。年金脱退一時金の受け取り制度がある。
・宗教面、食事面で日本人が馴染みやすい生活環境。定期預金の金利が高い、親日国、治安が良い、物価が安い、日本からアクセスしやすい(多数のLCCフライト)。
<ベトナム就職のデメリット>
・ASEAN諸国と比較して、個人所得税が高い。外国人も社会保険(年金、健康保険)の納付義務がある。住民税は無い。
・ベトナム語の発音は世界でも最難関レベル。日本人にとって習得は容易ではない。
・大気汚染が深刻(ハノイ)、不衛生な環境。
・労働許可証(WP)、一時滞在許可証(TRC)申請時に準備する書類が多い。(無犯罪証明書、職歴証明書、健康診断書、大学卒業証明書、住居滞在証明書など)
ベトナムのハノイに旅行にいらっしゃる方、ベトナムの労働許可証、ビザ、税金、社会保険などでお悩みの方、ベトナムでの会社設立を検討されている方は、是非、お気軽にご連絡下さい。
K.Oさんへメールする
okusako.kazuki@gmail.com
私のように海外にいって良かったと思う人もいれば、イマイチだったと感じる人もおり、それはやってみないと分かりませんし、誰も何も保証はしてくれませんが、一度しかない人生、迷っているのであれば、チャレンジしてみることをお勧めします。
海外就職といっても、国や業界、ポジション、業務内容により、10人いれば10通りの道があり、一括りでは説明できません。
アメリカで働くのと、中国で働くのでは、言語環境や生活、物価、一時帰国の頻度が大きく異なると想像できると思います。
海外就職1社目は、どんなに情報収集して慎重に選んでも、水に合わない会社に入社してしまうことがあります。そこを短期間で辞めて、本帰国される方がおり、それはそれで、その方の人生なので、意見するつもりはありませんが、せっかく片道切符で海外に来て、短期間で見切りをつけるのは勿体無いとも感じてしまいます。
私のように、海外就職2社目、2か国目で天職に巡り合う人もいますので、1社目が不運にも合わなかった場合、他国も含めて転職を検討しても良いかと思います。
私の場合、海外就職1社目が製造業の技術営業で、技術知識の習得に苦労し、早期での退職となりました。最後に、海外就職時の実務上の留意点、ベトナム就職(他国と比較した上で)のメリット、デメリットを、あくまでも私の主観ですが、お伝えさせて頂きます。
<海外就職時の留意点>
・住民票を除票した場合、日本での社会保険は任意加入となる。国民年金を継続するかどうか、自己決定することになります。(私は、国民年金を継続し、国民年金基金にも加入しています)
・就職活動、短期語学留学、渡航費用、渡航前の日本での住民税一括支払、現地での当面の生活費に備えて、一定の貯金(できれば、70~100万円程度)を準備した方が良いです。
・駐在員とは異なり、ワクチン接種、引っ越し、渡航フライトの手配、現地での住居探しなど、手取り足取りサポートしてくれる人はいません。個人事業主になったつもりで、自分から積極的に情報を集め、行動していく力(サバイバル能力)を培っていく必要があります。また、現地採用の場合、定期昇格や定期昇給のない会社が大半なため、人事評価に納得がいかない場合、我慢や謙遜はせず、自分の能力に見合った給与を交渉していく力も求められます。
<ベトナム就職のメリット>
・異業種への転職、キャリアチェンジがしやすい。代表者、管理職ポジションの採用がある。
・労働法上、外国人労働者には退職金を受け取る権利がある。年金脱退一時金の受け取り制度がある。
・宗教面、食事面で日本人が馴染みやすい生活環境。定期預金の金利が高い、親日国、治安が良い、物価が安い、日本からアクセスしやすい(多数のLCCフライト)。
<ベトナム就職のデメリット>
・ASEAN諸国と比較して、個人所得税が高い。外国人も社会保険(年金、健康保険)の納付義務がある。住民税は無い。
・ベトナム語の発音は世界でも最難関レベル。日本人にとって習得は容易ではない。
・大気汚染が深刻(ハノイ)、不衛生な環境。
・労働許可証(WP)、一時滞在許可証(TRC)申請時に準備する書類が多い。(無犯罪証明書、職歴証明書、健康診断書、大学卒業証明書、住居滞在証明書など)
ベトナムのハノイに旅行にいらっしゃる方、ベトナムの労働許可証、ビザ、税金、社会保険などでお悩みの方、ベトナムでの会社設立を検討されている方は、是非、お気軽にご連絡下さい。
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プロフィール
『あっという間に海外生活10年!20年、30年と続くかも』ベトナム在住8年 K.Oさん 37歳
自分自身の成長が楽しみ
マレーシアで2年の法人営業を経て、ベトナムの会計投資コンサルで8年勤務。ベトナムがホームグラウンド。
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