海外就職その後の体験談
『海外就職に正解は無し。自分の現地フィーリングを信じて』ベトナム・ホーチミン在住5年を経て日本 S.Yさん28歳
海外就職をして3年以上経過した方のインタビュー
Q1:現在お住まいの国及び都市はどこですか?
ベトナム・ホーチミンを経て日本
Q2:Q1での勤務年数は?
5年
Q3:日本を離れてから現在までの経緯は?
ベトナムで日系企業のエンジニアリング業界で技術職として4年勤務。その後、日系土木業界で海外事業部営業部に転職し10か月。
Q4:現在、どんな業界、職種でお仕事をされていますか?差し支えなければポジションもお知らせください。
日本へ帰国後、現在は機械専門商社勤務 法人営業 プラント・インフラの輸出ビジネスに携わっています。
Q5:海外だからこそ経験できた仕事内容を具体的に教えてください。
私はインフラ整備の一環として下水処理場の建設に携わりました。ベトナムでは下水道普及率が18%と依然と低く、まだまだ整備な必要な国です。一方、日本は下水道普及率が79%であることから、古くなった設備の更新や修繕・保全の業務がほとんどです。そのため新規案件で下水処理場の建設に携わることはまずありません。ベトナムのような新興国で働くからこそ、日本では経験できないプロジェクトを遂行することができました。
Q6:苦労したことは?壁にあたったことは?帰りたいと思ったことはありますか?
<それはいつ頃ですか?>
入社後1年程度経過し、実務担当・現場勤務が始まった頃。
<それはどのようなことですか?>
ほぼ新卒同然でベトナムに渡ってきた身で、そこから設計・書類作成などあらゆる業務を自ら進めなければなりませんでした。もし日本で勤務する場合はOJTとして手取り足取り教えてくれますが、海外では出向で来ている日本人駐在員は忙殺されているため、中々若手社員の教育に手が回りません。そんな中で本当にこの進め方で問題無いか、次にどのようなアクションを取るべきかなど、相談できる相手が傍にいなかったことです。日系企業で何十年も働いてきたその道のプロが現地の人であるケースは稀少で、仮にそのような方がいたとしても、やはり親身になって指導してくれる立場の人はいないでしょう。なので失敗を数多く積んできた人・ノウハウを持っている人と一緒にやればすぐ終わる仕事が、結局は何倍も労力が掛かっていたということは多々ありました。
入社後1年程度経過し、実務担当・現場勤務が始まった頃。
<それはどのようなことですか?>
ほぼ新卒同然でベトナムに渡ってきた身で、そこから設計・書類作成などあらゆる業務を自ら進めなければなりませんでした。もし日本で勤務する場合はOJTとして手取り足取り教えてくれますが、海外では出向で来ている日本人駐在員は忙殺されているため、中々若手社員の教育に手が回りません。そんな中で本当にこの進め方で問題無いか、次にどのようなアクションを取るべきかなど、相談できる相手が傍にいなかったことです。日系企業で何十年も働いてきたその道のプロが現地の人であるケースは稀少で、仮にそのような方がいたとしても、やはり親身になって指導してくれる立場の人はいないでしょう。なので失敗を数多く積んできた人・ノウハウを持っている人と一緒にやればすぐ終わる仕事が、結局は何倍も労力が掛かっていたということは多々ありました。
Q7:Q6をどのように克服しましたか?
<克服するうえで準備したことや必要になったものは?>
同僚のベトナム人を巻き込んで、少しでもアドバイスを多く集めたことです。彼ら自身も大学の専攻が直結した業界で仕事しているだけあって知識は豊富です。日系企業で働くには日本人的な働き方が求められますが、ベンダーやクライアントはローカルの方々なので、どちらかというとベトナム人からの見方や考え方が優先にして役立ったケースも多々ありました。それがある意味、良い意味でも悪い意味でもなり得る「ローカライズ」だと感じました。
<克服した方法や取り組みは?>
現地スタッフの目線に立って課題解決に当たったことです。その強みを最も発揮したのは、現地語でコミュニケーションを図ったことです。現場において現地語が分からない日本人が、即座に意思伝達できない、その場で通訳できる人がいなく、トラブルを迅速に是正できない課題がありました。自分が日本人一人だけの環境に置かれた際には、できるかぎりベトナム語で伝達することにより、誤ったアクションを事前に防ぐことができました。結果唯一ベトナム語を話せる日本人として、クライアント、同僚、サブコンから厚い信頼を得ることができました。
同僚のベトナム人を巻き込んで、少しでもアドバイスを多く集めたことです。彼ら自身も大学の専攻が直結した業界で仕事しているだけあって知識は豊富です。日系企業で働くには日本人的な働き方が求められますが、ベンダーやクライアントはローカルの方々なので、どちらかというとベトナム人からの見方や考え方が優先にして役立ったケースも多々ありました。それがある意味、良い意味でも悪い意味でもなり得る「ローカライズ」だと感じました。
<克服した方法や取り組みは?>
現地スタッフの目線に立って課題解決に当たったことです。その強みを最も発揮したのは、現地語でコミュニケーションを図ったことです。現場において現地語が分からない日本人が、即座に意思伝達できない、その場で通訳できる人がいなく、トラブルを迅速に是正できない課題がありました。自分が日本人一人だけの環境に置かれた際には、できるかぎりベトナム語で伝達することにより、誤ったアクションを事前に防ぐことができました。結果唯一ベトナム語を話せる日本人として、クライアント、同僚、サブコンから厚い信頼を得ることができました。
Q8:海外就職して得たこと(成長したこと)は何ですか?
ネットやニュースで時々見ますが、日本人の労働時間が他の国と比べて異様に長いということ。世間的にはネガティブに捉われがちですが、実際にベトナム人と仕事すると、どれだけ日本人は相手に気配りしながら仕事をしているかが実感できました。
私が体験している具体例を3つ挙げます。
まず、1つ目はベンダーから必要な情報を入手したい。すると100ページの資料をメールで送ってきます。ベトナム人の場合ただ送ってくるだけで、”何ページに記載有り”なんていう親切心はないです。一方、日本人はページの記載だけでなく、書かれている情報に赤でマーカーして資料を送ることが普通だと知りました。
2つ目、ドキュメンテーション。これはベトナム人に限らず日本人以外にも言えることですが、資料や図面が醜い、無駄が多い、理解しにくいです。何十ページにも上る資料に必要な情報があちこち点在していて、読んでる最中ページが行ったり来たりを繰り返します。日本人が作る資料はページの頭に重要な情報が網羅されており、そのページだけを見れば、ほぼ理解できます。
そして3つ目、ベトナム人はホウレンソウ(報連相)がありません。
有休の事前連絡を怠ったり、期限に間に合わなそうなときの進捗報告はないです。さらにはわからない曖昧なことを相談せず、自分なりに決めてそのまま進行します。だからどこでミスっているのか把握できず、もう手遅れということがよく起きます。
これらを日本人全員が当たり前にできているとは言いませんが、日本人の仕事は言わずもがな丁寧です。1つ1つ丁寧に仕事をこなしていると時間がかかってしまいます。
だから、時間がある程度かかることは致し方がないことなのだろうと感じます。時々やりすぎな部分もありますが、それぐらい意識してやってトラブルやミスが避けられるなら、やる価値はあると思います。
ただベトナム人の立場にたって物事を見ると、これはこれで日本人特有な理解しがたい発想なのかもれしれないです。「どうしてそこまで気にするの?」、「分かればいいじゃん」というような視点で。
私が体験している具体例を3つ挙げます。
まず、1つ目はベンダーから必要な情報を入手したい。すると100ページの資料をメールで送ってきます。ベトナム人の場合ただ送ってくるだけで、”何ページに記載有り”なんていう親切心はないです。一方、日本人はページの記載だけでなく、書かれている情報に赤でマーカーして資料を送ることが普通だと知りました。
2つ目、ドキュメンテーション。これはベトナム人に限らず日本人以外にも言えることですが、資料や図面が醜い、無駄が多い、理解しにくいです。何十ページにも上る資料に必要な情報があちこち点在していて、読んでる最中ページが行ったり来たりを繰り返します。日本人が作る資料はページの頭に重要な情報が網羅されており、そのページだけを見れば、ほぼ理解できます。
そして3つ目、ベトナム人はホウレンソウ(報連相)がありません。
有休の事前連絡を怠ったり、期限に間に合わなそうなときの進捗報告はないです。さらにはわからない曖昧なことを相談せず、自分なりに決めてそのまま進行します。だからどこでミスっているのか把握できず、もう手遅れということがよく起きます。
これらを日本人全員が当たり前にできているとは言いませんが、日本人の仕事は言わずもがな丁寧です。1つ1つ丁寧に仕事をこなしていると時間がかかってしまいます。
だから、時間がある程度かかることは致し方がないことなのだろうと感じます。時々やりすぎな部分もありますが、それぐらい意識してやってトラブルやミスが避けられるなら、やる価値はあると思います。
ただベトナム人の立場にたって物事を見ると、これはこれで日本人特有な理解しがたい発想なのかもれしれないです。「どうしてそこまで気にするの?」、「分かればいいじゃん」というような視点で。
Q9:現時点でかまいませんので、今後のキャリアをどのように考えていますか?
幸いにもベトナム人の女性と結婚しました。将来的な妻子のことを最優先に考え、生活する軸足を日本に置くべく、帰国して転職しました。今後のキャリアは5年間の海外勤務経験・マルチリンガルなスキルを活かすことのできる仕事、海外に通ずる仕事を日本拠点でやりたいと考えています。もしまだ一人身ならベトナム以外の国へ移っていたと思います。また海外で働く機会が出てくる可能性があれば、積極的に参加したいです。
Q10:最後に、これから海外就職を希望される方へどのようなことでも良いので、コメントください。
A rolling stone gathers no moss. 「転石苔むさず」です。良い意味で捉えてもらえると、常に動き続ける人は苔をむしません。迷っているなら行動です。
プロフィール
『海外就職に正解は無し。自分の現地フィーリングを信じて』ベトナム・ホーチミン在住5年を経て日本 S.Yさん28歳
A rolling stone gathers no moss.
日本の大学を卒業後、23歳で第2新卒でベトナムへ渡航。現地採用では珍しい技術職として4年、海外営業として10か月勤務。その後、28歳で日本帰国し転職。
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